
一年経った…というより、一歳老けた私たちと、愛犬カブ君。大型犬にとっては、9歳は61歳(獣医師広報に基づけば54〜68歳の間)。前の旅からの1年は、人間に換算すると7年くらい待たせたことになる…と思うと、心が痛む。ここはやはり…

休んで出かけねば、ねぇ。と、いうわけで、連休を外して16日から二泊三日、定宿のベイリリィを目指すことにした。
カブ君のための新車
前年と今年で一番違うのは、旅の足。あの、狭いツーシーター、MGFの助手席に、家内とカブ君の一人と一匹という苦しい旅程は、壮年期を終えようとするカブ君にも辛いはず。で、カブ君のことを最優先に選んだ車が、シトロエンC4ピカソ。後部座席が異例なほど前にスライドする、そこに純正オプションの犬用カバーをかければ、カブ君スペースの出来上がり。カブ君はのんびりゆったり横になったりしながら移動できるし、助手席の家内もくつろげる。燃費は16km/Lほどで、空間・容積からすれば、すこぶる良い部類だろう。言わずとしれたサスペンションの良さもあって、実に快適な移動だ。
「休む」ための休暇スタート。ドッグランのある往路
最近は、大型犬を歓迎してくださっている宿も、各地にできてきたようだ。他にも行ってみたいと思っているけれど、先ずはカブ君の「水泳」と我々の「温泉」が最優先。とにかく「湯ったり」休みたいのである。同じ宿でも国民宿舎なら、要らぬ気遣いもない。加えて今回は、変わった車で移動が楽だということと、トルコ料理レストランを営なんでいた友人がいるせいでずっと気になっていた、エルトゥールル号遭難慰霊碑に行きたいという気持ちもあった。
いつものように、紀ノ川サービスエリアで休憩。ドッグランは、貸し切り状態。ここで休めるのは、犬連れ旅程としてとても有り難い。カブ君はいつものワンコのカランから水の出る水飲み場で、たっぷり水分補給。家内は「じゃばらソフトクリーム」というのを見つけて、ゲット。私は無糖のコーヒーで、一服。ここまでは、まだ雨は降ってなかった。


白浜を目指す途中から雨になった往路だが、ピカソはFFらしく実に安定した走りっぷり。まるで前走車に自動追従するかのようなアクティブクルーズコントロールやスピードリミッターを使ってのゆったりくつろいだ移動は、走りそのものを楽しむためのMGFのようなスポーツカーとは正反対。だけど、四駆にも似て着座高が高いので眺めも良く、こうした旅にはうってつけだ。

犬連れゆえに、車中食
高速道路を降りたら、宿に到着する前に、いつもの円月島方面に。犬連れでOKと聞いていた海岸沿いのピザ屋は、満員御礼みたいな状態だったので、見送り。円月島のところで、黒ラブを散歩させているカップルに気付いた。カブ君が乗っている後部座席の窓を開けて減速すると、向こうも窓のカブ君に気付かれた。家内が手を振る。同犬種ってだけでこんな一瞬の出会いがあるのは、嬉しい。

これまでは昼食には観光地で降りて、コンビニで買ったサンドイッチなどをほおばっていたのだけど、雨だからそうも行きそうにない。去年と同じコンビニで昼食を買った後は、駐車スペースの広い円月島に戻って、車内で昼食。カブ君は白浜の海岸沿いの道路になってからというもの、海の臭いを嗅ぎ取り、泳ぎたくてうずうずしている。由緒正しき漁村の犬ラブラドールのDNAが黙ってないのだろうけど、我慢…というのも、白浜というところ、砂浜という砂浜がことごとく犬禁止。後で分かったのだけど、江津良海水浴場だけはワンコOKなんだそうな。ならば、車にキャンプ用シャワーを積んでおいて、泳がせるってのはアリ…かも。ただ、絡まるとまずいので泳がせる時はノーリード、なのが今一つひっかかるんだなぁ。泳ぎたい一心のカブ君が、散歩で済むわきゃあないし。ともあれ、「きたぞ〜」の記念写真を撮ったりしていると、ちょうど良い時間となったので、慣れた道順を辿って宿へ向かった。
またもきましたベイリリィ
ベイリリィの三浦支配人は、この日は不在。スタッフや大旦那さんにこやかに迎えられて、無事に初日の移動は、終わり。と、そこにおられたのは先に円月島でお見かけしていた、あの黒ラブちゃんたち。聞けば京都からで、ノアちゃん、二歳だそぉな。ワンコ同士、今度はちゃんとご挨拶。残部があったので持参していた、カブ君カレンダーを進呈。もうほぼ半分(残り半年)になっちゃったカレンダーで、ごめんなさい…。
鍵をもらってエレベーターに乗り、いつもと同じ、掃除の行き届いた畳の部屋に入る。カブ君も「やったぁ〜。また来たワン」と、いきなり寝っ転がる。トイレに入ったら、なんとウォシュレットが備わってた。嬉しいですねぇ、これは。カブ君の鼻には、ずっと潮の香りが届いている。のびのびゆったりカブ君ともども体を投げ出し、ひといきついてから、温泉。のんびり、湯に浸かって命の洗濯だ。

夕食前に、漁船やプレジャーボートが係留されている岸壁を一歩き。泳ぎたそうなカブ君だけど、それは明朝のお楽しみ。昨年電気自動車充電スポットができていた大手ホテルは、三月で閉館。昭和の風情が漂うそこが、今は虚しい。高台の新しい施設で営業されているそうだけど、ここはどうなるんだろう。津波を考えたら、もう使われることはないのかも知れないなぁ。


さらに美味しい夕食
散歩から戻って一休みしたら、食堂へ。ノアちゃんはじめ、すでにお食事中の同宿の飼い主さんたちと一緒のワンコたちに、ワンワンとお迎えをうけて、席へ。カブ君用の夕食は、ひときわ豪華になった感じだけど、そのワンプレートディナーは相変わらず、一瞬でペロリ。

熊野古道麦酒で咽を潤し、ゆったりと、新鮮な魚貝に舌鼓をうちながらの夕食。デザートには、抹茶のババロア。いや〜、毎回、旅先でも、こうしてカブ君と一緒に食事の時間を過ごせるのがありがたいけど、ひょっとして、美味しくなってない?


外は、雨。だけど、MGFの時のような雨漏りの心配は、しなくて良い。ありゃあなんせ、濁点がついてた(幌゛…ボロ)。ひときわ元気なカエルの合唱を聞きながら、テレビもつけず、ただただのんびり、ぼ〜っとする。どぉ〜んと伸びているカブ君の脇で、横になって過ごす。
日課の、就寝前のトイレ散歩は、iPhoneで雨雲のレーダー画像をチェックして、小降りになった隙に済ませたけど、結構濡れた。明日には上がるらしいけど…と予報に期待しながら、いつの間にやら寝付いていた。
Posted by nankyokuguma at 15:30:41. Filed under: 犬連れ旅

