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Monday, June 03, 2013

大型犬の一生は、長くても15年。平均すれば、10年前後だろうか。愛犬が元気なうちに、思い出をいっぱいこさえておきたい ─ そんな願いを抱かれる飼い主さんは、決して少なくないのではないだろうか。私も、そう思って今年も、カブ連れの旅に出ることにした。

…と、そうはいっても、一年経ったからといって…

相変わらず大きな犬も歓迎してくださっている宿は、そうはない。「犬は専用ケージで、別室に…」といったところが大半だけれど、それじゃあ意味がない。とっても良さげな、犬連れでドッグランやドッグプールがあるという施設は、確かにドッグフレンドリーだろうけど…と、一度は行ってみたいと思いながらも、はて、私たちの休養として、どうかなぁ…というわけで、結局、昨年とおなじ白浜のBay Lily しらゆり荘に、今年も行こうと決めた。

どこに行くのぉ〜

ベイリリィは国民宿舎。海岸ということもあるだろう、外壁こそ傷んだ建物だけれど、掃除の行き届いた畳の部屋に「犬連れで」泊まれるのが有り難い。前回は「旬の地魚姿盛付き♪新鮮海鮮を堪能」という宿泊プランだったけれど、今回は1クラスアップして、予約を入れた。

ちょうど良い距離

犬の睡眠時間は、1日13時間と言われているから、旅行に出れば自ずと、睡眠不足になりがちだろうと思う。白浜まで、道路の空いている時期なら、神戸からゆっくり走って2〜3時間だから、ちょうど良い距離。真ん中あたりとなる紀ノ川サービスエリアにはドッグランもあり、往路は快適だった。

  紀ノ川PAのドッグラン    紀ノ川PAのドッグラン

ひょっとして…旅行!?

もっとも、どうもラブラドールという犬種、年々少しずつながら体格が大きくなるようで、体重は変わっていないのだけれど、車内は昨年よりも狭い感じがする。そろそろ、カブがゆっくり伸びていられる空間のある車の物色しどきかとも思うけれど、天の邪鬼のマニュアル車好きだから、選択肢がない。それに、MGFときたら、長距離なら19km/L近く走るから、なおさら代えるべき車が、ない … というわけで、家内にはちょっと「重たい道中」だったようだけれど、まぁしかし、それも良い思い出に…ならんかなぁ。

ついたぁ〜

海!!

白浜に到着し、先ずは円月島へ。白浜のアイコン的な岩で、「白浜に来た、着いた!」と、実感。カブ君、さっそく泳ぎたがって、防波堤に手を突いて、尻尾フリフリ。由緒正しき、カナダの漁村で生まれたラブラドールの血が騒いでる。

そうはいっても、潮に浸かった体を流せる場所があるでなし、ここは、ガマン。観光地の常で、砂浜の脇の駐車場も1回入れたら1000円也だから、通過。どう見ても、犬連れを歓迎してくれる、例えばドッグカフェなんぞ…ないよなぁ、と、白浜の旅館街の真ん中で、ちょっとしょんぼり。

コンビニでサンドイッチなどを買って、千畳敷へ移動。暑いけれど、防風林の中にちょうど良いベンチとテーブルがあったので、そこで昼食。まぁ、ここは結構ゆったりのんびりできた。

   千畳敷にて

ドッグラン at ベイリリィ

ベイリリィ

千畳敷で一休みしたら、ちょっと早いけれど、チェックインにはまぁまぁ良い頃合いになったので、移動。一年ぶりのベイリリィに、迷わずに到着。昨年同様、三浦支配人が満面の笑顔でご歓待くださった。

支配人に言われて見ると、風景がちょっとだけ変わってて、かわいいドッグランができていた。脇の犬舎の主、看板犬のトイ君、昨年よりはゲスト慣れしたのか、フレンドリーに尻尾を振って挨拶してくれた。

チェックインを終えて、部屋へ。かつて知ったるで、カブ君も一年ぶりの畳に、のびのびゆったり体を投げ出して、落ち着いている。さぁ、これで心おきなく休むぞ〜と思いきや、追っかけてきた仕事に小一時間ほどとられてしまった…けれど、まぁそこそこ順調に、我が休暇はスタートしたのだった。

海がよんでるのになぁ〜

温泉・散歩・食事

一日目も二日目も、滞在中の中心は温泉と散歩と食事。のんびり湯に浸かり、一歩き。

漁船やプレジャーボートが係留されている岸壁を歩くが、カブ君は泳ぎたそう。でも、今泳ぐと夕食までには乾かないから、やめとこぉねぇ〜。同じくベイリリィに泊まっていて散歩に出たワンコたちとも、ご挨拶。ドッグランでワンコミーティングの一時を先に持っていれば、夕食の席がより和やかになるのかも、ね。

盛りだくさんの食事

散歩の後の、熊野街道麦酒と、食べきれないほどの海の幸に、満足。カブ君も、特製フード40kg用に舌鼓。目先が変わると、また美味しいんだよね。

部屋に戻ると、畳に寝そべって、のびのび。そのうち、静かな寝息が聞こえ、やがて、いびきが混ざり、その平和さに、こちらも釣られて、早寝。テレビも点けずの非日常の夜は、潮騒とともに静かに更け…たかどうか、定かではない…(いびきがうるさかったかも…お隣さん、ごめんなさぁ〜い)。

左 : 旅館のごはん〜♪ / 右 : 一年ぶりの、畳の上

さぁ、泳いどいで〜

朝の一泳ぎ

一夜明けて、待ちにまったカブ君の海水浴。朝一番のトイレを済ませたカブ君、かつて知ったる道を行くと…降りやすそうな場所を探して、海に入る。若い頃は、海とみればアドレナリン全開で飛び込んでいたが、そこは六歳で、ちょっとは変わったかも。

なんか、投げてぇ〜

すいすい〜

サイトハウンドよろしく見渡して、自分なりの目標を見つけると、ザバザバと深みへ踏み出し、スイスイ〜ッと、鮮やかな犬かき。ラブラドールの生み出された歴史を彷彿とさせる、その泳ぎには正直、驚かされる。もっとも、泳げないラブラドール君もいるというから、不思議なものだ。

前回は適当に魚が跳ねて、その都度、そこを目指して泳いでいたのだけれど、今回は潮の具合だか何だか、それがない。で、流木の枝を投げて、獲りに行かせる…というか、投げれば獲りに行く ─ その様は、レトリーバー = 回収犬そのもの。

ひろびろ・のびのび遊泳
おなかがすいて、あがりぃ〜

30分以上も、泳いでは上がり、上がっては泳ぎのくりかえし。十分な全身運動に「ちょっと疲れたかなぁ…」という頃合いまで、清んだ海を楽しんで…上がりのサインはどう見ても「おなかすいた〜」。

源泉掛け流しシャワー

ベイリリィに戻り、ワンコの温泉。湯舟こそないけれど、入り口前の源泉掛け流し、温泉シャワーで洗い流すと、泳いだ疲れも流れるかのよう…って、また元気で「ごはんまだぁ〜」。

朝食
新庄総合公園

くまのこどう

今回は、もう一泊。なので、昼間をどう過ごすか…。実は、ボートで近くを一回りと支配人に誘われていたのだけれど、この日は生憎波が高くて、ダメ。と、いうわけで、ググって候補地を探すものの、犬連れで行ける場所は、そうはない。平草原公園というのが良さそうだと思ったら、ペット入園不可。全面禁止はないなぁ、と思うのだけど、今のいまどうなる話でもないから、諦めて、先ずは熊野博の跡地、新庄総合公園へ。

新庄総合公園

この公園、とても立派な野外音楽堂ミューズパークたなべがあり、無料の上に遊具が整っているからか、平日でも子供達や子連れの方々が、大勢。ワンコ好きな子もいて、寄ってきてカブを撫でてくれたりしたけれど、日陰は少なくて、暑い日にはちょっと辛い。広々とはしているけれど、ドッグランがあるでなし、リード必須。子連れと犬連れでは、少々ワケが違う。

八上王子跡

で、早々に退散し、近くのコンビニで昼食をゲットしてから、熊野古道方面へ。と、いっても、車で、道路にあった標識を辿ったので、観光ルートのそれからは外れていたらしい。

クマノコ道

西行が歌を詠んだことでも知られるという八上王子跡にたどり着いて、涼む。新緑がまぶしく心地よい。

もう一箇所…と思ったら、車を置く場所がない。次に…と思ったら、車を置く場所などなく、標識の指す方向は、狭い民家の軒先。仕方なく諦めて、河原に車を停めて、昼食。日陰はないけど、風があって比較的涼しく、のんびりはできた。カブが川に飛び込んだら、オオウナギをつかまえてきた…かも。

戻りしなに、先に諦めたもう一つの稲葉根王子跡に立ち寄る。新緑に、赤の社が鮮やか。苔むした大木に癒されつつ、太古の昔を連想する空間だった。

この、三栖山を越え八上王子を経て石田川に出るルートは、江戸時代に潮見峠越えに取って代わられたそうで、古道の古道。標高こそさほど高峰ではないけれど、紀伊半島の中央部は、延々と続く山々と谷。その道を歩いての、熊野三山への命がけの参拝旅の途中で儀礼を行う場所が、王子だそうな。カブ君が歩く今は「熊の子道」…??

河原での休憩・熊野古道・新緑
Zzzzzz

温泉・散歩・食事 ─ 二泊目

車を降りてたたずんでいる分には、風があって心地よいのだが、走らせていると、日差しが強く、暑い。どうやら簡単に自家用車で巡れるもんでもなさそうだと思い、早めにベイリリィへ引き上げた。

お陰で、貸し切り状態でゆったり温泉に。実は、こうした時の過ごし方こそ、この旅の本来の目的なのだから、良いのですよ、観光しなくても。それでも、最低限の情報のやり取りは、持ち込んだMacBookAirでやっているし、iPhoneからFacebookへ投稿もしてる。

ドッグラン

それもやめてしまいたい誘惑にかられつつも、だけど、日常から離れ、引きずり回されるような時のたちかたから解放されていると、二泊三日でも癒される。

散歩をすれば、浜辺の花が可憐に咲いている。同宿のワンコたちと挨拶したり、ドッグランでゆったり遊んだりしていたら、あっという間に、夕食タイムが迫っていた。

二泊目の夕食も、豪華。昨夜はなんとか平らげたけれど、今宵は、無理。それでも、刺身や鯛しゃぶは言うに及ばず、特に、カリッとあがった鰈の天麩羅は、絶品で、堪能。満腹で部屋に戻ると、いつしかカブの寝息がまた聞こえ…で、就寝前にトイレ散歩に出てから、就寝。

旅行って、おいしいなぁ〜
朝の散歩へ

朝の一泳ぎ その2

感慨深く足をつけてから、なんて儀式は、二日目には、なし。いきなり、ドッポ〜ン。ひょっとして、温泉シャワーで若返ったか。

今朝も泳ぐぞぉ〜

いつものように、入っては戻り、戻っては入りで、泳ぎまくっていたカブ君。と、ある方角へ行くと…そこには小舟を係留するロープが漂い、環になった部分に、よりにもよってひっかかってしまった。バシャバシャと同じところを周っても、抜ける気配がない…。しゃあない、と、海に入って、外す。こんなこともあろうかと、クロックス履きできて、良かった〜。

魚、いてへんなぁ…

悠々と遠泳

そんなことがあろうが、ひるむカブ君じゃない。繰り返しくりかえし、投げた枝を獲りに行っては戻り、いってはもどり、と、この朝も泳ぐこと、30分以上。

シャワー

ブルブルッ

もうハラペコって感じでようやく、宿へ。昨日同様、源泉掛け流しのシャワーで塩水を流して、スッキリしてから朝食。付き合ったこっちもむろん空腹で、朝食のうまいこと。

ボート上から養殖筏を眺めて

ボート初体験

部屋に戻り、ヒトイキついてから荷をまとめていると、支配人から電話。昨日できなかったボート遊びだけれど、今朝ならなんとか、ちょっとだけだけれど、船を出せそうだとのこと。時間をやりくり頂いたようで、御言葉に甘えて、ボートにカブを乗せてみることにした。

船上 ボクが泳ぐよりも早いなぁ…

乗船には、ボートの側面を接岸していただけたので、抱えて簡単に乗船させた。慣れれば自分で飛び乗るんだろうけど、泳ぎたいのが勝っているからなぁ…。帰路につく前だったら、泳いだって良かったのだけど、帰路につく前に乾かないだろうからね。本犬は不満そうだったけど。

走り出したボートには、とても不思議そうだった。泳ぐよりも早いとか、これがあの、大きな音をたてて泳いでた奴かぁ、とか、まぁいろいろ考えたりなんたりしてたんだろぉね。カブの泳ぎの得意さで白浜に暮らしていたら、とっくに救助犬訓練してたかも。

もう帰るのかなぁ…

帰路

ボート遊びを終えて帰路につくと、どことなく残念そう。大きな土産店で車を停めて、お土産にナギサビールやら梅酒やらをゲット。カブは木陰につないで待たせたのだけれど、そこから車が見えないから、珍しく最初、ちょっとだけ吠えた。知らない土地だものねぇ、心細いよね。はい、良く待ってました。

風力発電

お土産の仕込みを終えて、高速。発電の風車が、稜線に並んでいる。今回は往路の通り上って、湾岸線へ抜け、一路神戸へ。

ペットの入場禁止…まぁそぉだろぉけど…

▲ 紀ノ川上りPAで
屋内へのペットの入場は禁止でも結構。
だけど、居場所はこさえて欲しいなぁ…

◎と×

今、犬連れのドライブで残念な一番のネックは、昼食や休憩だろう。今回も、この帰路の紀ノ川PAにはがっかりした。往路下りの紀ノ川PAとは正反対に、ドッグ・アンフレンドリー。辻褄が合わん話で、なんとも妙だ。ワンコ歓迎PAを辿るなら堺へ行かねばならず、そうなると大阪環状線を周って神戸へ、となり、遠回りだし、高くもつく。

イートインに、愛犬と一緒に雨や日差しを凌げるスペースがあれば、ワンコ連れものんびり休息できるのだけれど、そんなPAは本当に限られる。例えば下りにあるなら、上り側にも同様にないと、困るよね。

それに、白浜の平草原公園犬お断りってのが、なんだかなぁ、だ。名前から連想すると、むしろドッグランがあるのが相応しいしなぁ…って、それはともかく、ゾーンを決めてでも犬OKってのは、難しいのかなぁ。一泊二日をのんびり過ごすにはとても良い宿があるってのに、惜しいなぁ、と思う。

おうち、まぁだぁ〜?

熊野古道のほうは、風情満点。もうちょっと真面目に辿るには、下調べを丹念にやらなきゃ…というわけで、次回の宿題。

でも、それでも、カブは海で泳いだし、ドッグランもできていた。海の幸も満喫でき、温泉にゆったり浸かって、十分な休息、100%オフタイムになった。やはり、良い旅でありました。コレも、出会ったワンコたち、ステキな飼い主さんたちや、ホスピタリティ溢れるベイリリィさんのお陰です。ありがとうございました。

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