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Tuesday, June 25, 2013

カブも、はや6歳。これまで順調にきたからといって、これからも順調とは限らない。万事塞翁が馬と、うまく行っている時に感じる空恐ろしさから、動物保険に加入したのは昨12年の2月15日。一年以上も、これといって大きく使うことのない保険だったが、70%契約で加入し続けてきた。役に立たないのが、有り難い。それが保険なのだけれど…

ついに、役立つ日が来てしまった。

飲んだものは、出る…と思いたいけれど…

ことの起こりは、ボールの持来訓練。ボール自体に執着しないと、投げても捕りに行こうとしないから、どうやって執着させるかが最初の鍵で、コングという犬用玩具が典型だけど、レバーペーストなどトリートを使って執着心を強める手がある。で、赤い少々小さめのボールに、このレバーペースト風味を塗りつけたところ、最初は結構うまく行っていた。

ちなみにカブは、持来訓練そのものは、取りに行って持ってきて渡すまで、気が散らなければ完璧にこなす。

得意満面
▲ボールを隠したつもりで、得意満面

ところが、他のワンコと一緒のフィールドで訓練していると、他の子のボールが良く見えたり、それを取り合って遊ぶのが面白かったりするらしい。訓練を離れて遊んでいると、2個加えて得意そうにしたりして、困ったもんだとは思いつつも、これまで誤飲しなかったので、油断していた。ふと気付くと、2個あるはずの口の中のそれが、1個しかない。慌てて1個は「ダセ」コマンドで取り出し、2個目…。手を咽に突っ込んで吐かせようとするが、後の祭り。飲んでないんじゃないかと一縷の望みを抱いて周囲を探すが、どこにもなく、飲んだのは間違いなさそうだった。

「まぁ、飲んだモンは出る、かも…」と、ここは鷹揚に構えて、しばらく様子を見ることに。あまりに何ともない日々が1ヶ月以上も続き、こりゃあひょっとして飲んでなかったのか、と思うほど。食欲もあり、快便ながら、そのウンチでもボールやその破片らしきものは出てこず、あかんかぁ…と一抹の不安を抱いたまま、二月以上が過ぎたつい先日、突然、胃液を吐いた。

嘔吐誘引、内視鏡、そして切開…

さてはやはりボールが…と、かかりつけの獣医さんへ。「写らんよぉ〜」という獣医さんに「いや、ぼんやり影くらいは」とお願いしてレントゲンを撮ってみていただくと…あるある、まぁるい影が。

選択肢は三通り。薬で吐き気を誘引して、吐かせる。駄目なら内視鏡手術で、取り出す。これが駄目なら、切開。で、先ずは吐き気からトライするが、駄目。かかりつけ獣医さんが内視鏡手術の上手な先生をご存じというので、お任せして予約依頼の上、内視鏡手術に踏み切った。

予約当日の、午前9時半。朝食抜きで診療所へ向かい、カブをお預けする。あとは、連絡待ち。ひたすら、内視鏡で出せますようにと祈るのだけど、午後2時をまわっても連絡がなく、これは内視鏡での取り出しで難儀されているか、ムリか…と、嫌な予感。3時になって電話が入り、そんな予感が的中。残念ながら、内視鏡では出せなかったそうだ。

写真
▲ 術後面会。まだ麻酔から覚めきれてない

さて、ここで課題なのが、切開するかどうか、だ。もし諦めてもう暫く様子を見るとしても、胃液で縮んだり劣化したりしたところで、腸に詰まるなどしたらもっと悪い、という可能性など、あれこれ教わったり、調べたりして、それでもその時まで最終判断のつかなかったその決断の決めてになったのは、全身麻酔。いかに老犬でもなく健康だから問題ないといっても、一年に幾度もかけるようなもんじゃあなかろうと思うのが、麻酔。内視鏡手術のためにかけたそれが有効で、状態が安定しているというので、切開を決意したのだった。くいしんぼうカブに、幾度も食事を抜かせたりしたくはないし、ね。

気をもみながら待っていた、夕方5時18分。手術成功の報が入って、胸をなで下ろした。面会は診療所に戻る7時以後にというので、時間を合わせて行くと、脱力した試合後のボクサーのようなカブが、弱々しく歩いて出てきた。一応、もう歩けるんだ、と一安心。ひとしきり説明を聞くなどしてから、落ち着いたカブをお任せして、診療所を後へ。朝夕夜の散歩もない、大きな何かの欠けた日の夜が更けていった。

元気で退院。二度と飲むなよ〜

退院は経過次第だが、早ければ翌日といわれた、その翌朝、「もう退院しても大丈夫ですよ」の報に、あたふたと用を済ませて、また診療所へ向かった。

昨日とはうってかわって、元気にドタバタと出てきた、カブ。大丈夫そうだね、と安心。まだ経過は見ないといけないけど、といわれつつも、ホッ。我が家に帰れると喜々として車に飛び乗ったその様子からは、昨日開腹手術を受けたなんて思えない。きっと、上手に手術していただけたのだろう。二宮先生、ありがとうございました。

費用はしめて15万円ほどだったが、保険のおかげで負担は約3割。やはり、どうぶつ保険をかけておくに越したことはないと、痛感。

摘出されたボール
▲ 摘出されたボール

それでなくても、こうした誤飲は飼い主も、あれこれ心配で精神的に参る。ググってみたところ、どうやら誤飲の多い玩具の筆頭は、スーパーボール。誤飲の多い犬種の1位は、フレンチ・ブル。次いで、ゴールデン・レトリーバー、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、パピヨンが多く、ラブラドール・レトリーバーは5番目というのが、動物保険のアニコムによるデータ。しかし、私の周囲で見聞きしている限り、レトリーバー種の誤飲が多いように思えるのは…気のせい、かなぁ…。

今回カブが呑み込んだボールも、スーパーボールに近いサイズだったから、うっかり飲んでしまいやすい大きさなのかも知れない。直経5cm以下のボールは、要注意だと言っても良さそうだ。

ズタズタのボール
▲ 鉗子で出そうとして、千切れたボール。
ボロボロたりようは、ご苦労の跡。

ちょうど、大きさが胃に留まらざるを得ないサイズだったからこうなったけれど、じゃあ小さかったら排せつされたかといえば、さにあらず、腸閉塞の可能性もあるという。

かなりのモノは、その見聞きしてきた話からしても排せつされるようだけど、それもやはり、その犬それぞれの様々な要素に左右されるだろうとも思う。

遊ばせるなら、先ず飲み込めないだろう大きさのそれにしよう、と、2個のうち1個を飲み込んだ件以後、カブには大きめのものをあてがうようにしてきたけど、さぁて、油断が一番の大敵。もう二度とゴメンだからね、こんな思いは…