何らかの音を出せば良いだろうと… いうことで、解決法については既に多くの案が既出。そのうち、いくつかの案が国内で実験されたと報じるニュースが流れ、唖然とした。なんと、耳障りな高音を発しているのだ。まるで、焼き芋屋。一体、何を考えているのだろうか。
人は、それが自動車の音だから自動車の接近として察知し、危険回避行動をとる。違う音にした場合、無意識の状態でそれと認識するまでには相当な時間を要し、危険だ。多くの、見識も経験もあるであろう方々をして、そのくらいのことが分からんのだろうか。
実は、既にロータスが開発したHALOsonic Noise Managent Solutionsというシステムがあるので、今更開発は不要。V6やアメリカンV12など選べるが、それらは疑似的な「エンジン音」である。(実は、説明動画では低速時にはチャイムを鳴らしているように見える。低速時がチャイムなら、私の論には一部相容れないが…)
こんな優れたものが既出である以上、ロータスが特許を持っているならばさっさとロータスに特許料を支払って採用するなり、メーカー連合でロータスに無料若しくは安価に全メーカーの利用を認めるよう交渉を始めるのが正しい。技術を注ぐべきはその後の音の選定なり扱いようであって、擬似的な自動車の走行音を鳴らすことについては、疑問の余地はなかろう。
報道関係者や最終的に制定する立場にある方には特に、この「経験則として条件反射になっている音」という要を、強く意識して欲しい。それと分からない音では駄目だし、人を不愉快にする音、聞きづらい音であっても駄目なのだ。
馬が鳥のさえずりで走ってきたって、馬が来たとは思うまい。そこに危険がある以上、それは「それと分かる音」でなくてはいけない。旧来の車に静粛な車が後続している場合、一台目が通り過ぎた段階で「車はもう来ない」と錯覚しかねないから、特に危ない。
「こんな音を鳴らして車が来ます」と分かっている実験では、駄目。しかも、人命にも関わりかねない以上、実際の運用で試すのは乱暴に過ぎる。
昨年8月27日にアップした「電気自動車・Hybrid車の音問題」では何か良い案がないかと書いたが、今回は半年以上を経て、自動車走行音以外にあり得ないと考えがまとまった。自動車走行音以外のどんな音であっても、それがその音と分かるまでの周知期間のみならず、長い経験に基づく条件反射としての回避行動には至れない。そして、そんな危ないことは実験すべきでない。
もはや事は、悠長に開発し実験したり、議論する段階ではない。解決せねばならない問題の対象は、人々の安全なのである。
Posted by nankyokuguma at 23:24:10. Filed under: Vehicle
