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Monday, January 12, 2009

クリーンディーゼルやクリーンディーゼルハイブリッド、電気、水素といった動力源が環境に優しいのは言うまでもなく、メーカーも今や開発・市販化に躍起のようだ。今年発売されるという三菱のiMiEVは160km連続走行可能だそうだが、走行距離をさらに伸ばす取り組みが求められる。それは、必ずしも一度の充電での走行距離を伸ばすだけではなく、頻繁な充電を可能にすることでも良いし、充電池を交換式にすることでも対処できそうだ。

ところで、環境性能には…

燃費や排気ガスといった課題のみならず、走行時に車外にまき散らす騒音や、タイヤの摩耗による粉塵までもが含まれる。

タイヤの騒音や摩耗は、路面や道路運用と合わせて考えたほうが良いのかも知れない。未舗装路や積雪を考えると、ひたすら固く、扁平率や真円率を上げて転がり抵抗を減らす方向ばかり考えてもダメだからだ。クルマの騒音問題は古くはギリシャ・ローマの時代からあったようだが、一方で、音がしないと歩行者が気づかないなど、また違った危険性が出てくるから、見切りの難しい課題だと言えるだろう。

路面の課題では、舗装路だけが回答とは限らない。未舗装の林道にしておくことで生態系を人工的に区分してしまう愚が避けられるから、場所によっては、環境のために未舗装が正しい選択となる。その時、タイヤやサスペンション、駆動形式は未舗装路を意識させないレベルで人を移動させられるまでに進化して欲しくなるから、全輪駆動はここでも前提だろう。

乗り心地には静粛性や路面との絶縁も課題だが、サスペンションは物理的な構造物なので、ただバネレートやショックアプソーバーの容量だけで考えるのではなく、アームの全長や取付け角などによるジオメトリー、ひいてはボディ幅も絡んでくる。一方で、今でこそエンジン容量で変わるようになったとはいえ、軽自動車の枠には依然として規制されている。車体寸法が、動くモノとしての物理特性とは無縁の税制から決まってくるようでは、理想的な物理特性を与えるのに困難を伴うし、実際、それは「クラス最良」という、妙に分かったような分からないような階級別で括って語られる。重厚長大を良しとはしないが、小さすぎる制約もまた、よろしくなかろう。

サスペンションは静なり動なり、その車体の重量の地面へのかかり具合を左右しているので、実はタイヤのグリップ性能にも影響し、ブレーキ性能も関連する。だから、多角的な取り組みができて初めて、トータルで環境に優しいタイヤ、ひいては環境に優しい車が、そこに誕生するのだと思う。

走行性能・走破性や環境で軽量の車は優位にあるが、輸送能力については、車自体の重量に対して増減比が増えるという点では、ある程度重量があっても大排気量のほうが、今は優位にある。だから、もともとは軽量だが重量が増えてもその負荷に応じ得るような、柔軟性や対応性が課題だと分かる。電気モーターはその点、低速からフルトルクで運転される特性なので適していて、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンで考えるパワーと排気量、サイズといった考え方とは違った観点で捉えることも可能だと思う。先に述べた補助動力付きトレーラーは、その路線で発展して考えた一例である。