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Thursday, May 01, 2008

大前研一氏のコラムに関連して、先に私見を述べたが、その後、この問題に関連することに新聞記事で出くわしたので、その2として記してみたい。その記事とは…

日経の名連載“私の履歴書”。ちょうど昨日で終わった扇千景前参院議長の履歴書の一昨日分(4月29日・第28回)に「港湾・道路・鉄道・飛行場が30分県内にあることが国際都市の条件」とあり、「東京ですらこの条件を満たしていない」と断じておられたのだ。それは、やろうと思いながら実現できなかったこととして記されていたのだが、この場合の飛行場は国際空港に限るのだろうか。

福岡は、港湾・道路・鉄道・飛行場のどれもが30分圏内にある。他に、このような条件を満たしているとしたら、神戸空港ができた後の神戸くらい。つまり、福岡や神戸は腕の振るいようによっては国際都市として図抜けることのできる素地がある、ということだ。

その一つである福岡は、日本の他県に暮らす方々にはあまり知られていないかも知れないが国際線も頻繁に飛んでいて、離発着回数は成田・羽田に次ぐ日本三位。以前、私が住んでいた頃には、NWのハワイ行きがホノルル乗り継ぎでロサンジェルスへ飛んでいた(ロサンジェルス側からの往復だとホノルル経由福岡行きの一便扱いで購入できた)ので、散々利用した。一度など、アラスカ取材の帰路にロス経由で戻ったものだから、アロハ姿の乗客に混じって一人、毛皮の帽子を被ってスキーとカメラを担いだ妙な乗客になってしまい、入国審査で「どこに行ってこられたんでしょうか」と審査官からさも興味深そうに聞かれたことがあった ─ とそれはさておき、あれほど便利な空港を都市経営計画に積極的に織り込んで未来図を描くことこそ、財界人や政治家が力を注ぐべきところだろう。

にもかかわらず、大前研一氏のコラムにあるように、未だに移転を諦め切れていないというのは、前回書いた通りでお話しにならない。

そもそも、福岡なり九州道なりで経済を考えるのなら、その内で発生する富は外へ出さず、外からいかにして富を集めるかが大事なのではないだろうか。ところが、東京資本の出店が多くて購買力から得られた果実はUターン。これでは、折角の富がやせ細るばかりである。空港建築の土木工事にせよ、高層ビル建築にせよ、そうした資本は九州の外からやってくるのだろうが、気がつけば果実は九州の外に持ち出される結果になりはしないか。資本がやってくるところまでは歓迎できても、資本の見返り分を除く果実はちゃんと九州内で還元されなくては困る。それが出来てはじめて、都市の機能の維持発展を図る原資が継続的に得られるのだと思う。

一方、神戸は神戸で、それなりの歴史的素地があるのは言うまでもないが、その一つのアドバンテージとして、外国人子弟の教育環境がある。これは、他の都市にはおいそれと真似の出来ないところであり、活かして行くべきポイントだし、福岡が真剣に取り組むべきところだ。

ところで、トラックバックをかけても日経のサイトはトラックバックに応じてこない。私のこのサイトのような場末のBLOGは無視されてもまぁ仕方がないけれど、トラックバックを受け入れるかどうかの判断基準くらいは示して欲しいものだ。ま、今度もまたトラックバックはつながらないのだろう。いや、私ゃ別に構わんのだが。