デジカメが小型化するのは時流として、小さくなっても欲しいのがケース。
先ず、誰でも綺麗なボディに傷はつけたくないものだけれど、軽量化された素材のためか、昔の色の限られたカメラとは違うとはいえ、最近のコンパクトデジカメは、妙に傷がつきやすい。だから…
例え女性がハンドバッグに入れておくとしても、何らかのケースで保護したい。
様々な外からの衝撃などからもプロテクトして、いざ使うときに壊れていたなんてことがないようにもしたい。ハンドバッグなど持たない人なら、携帯するにはケースは必須だろう。しかも、その場合、すぐに撮影できるような、喩えて言うなら西部劇のガンマンの銃を下げておくホルスターのような、速写性を犠牲にしないケースが欲しいのではないだろうか。ところが、今時のデジカメには優れたケースが見つからないのである。
メーカー製ケースのふがいなさ
メーカーも専用ケースを用意しているし、最近では流行にも敏感になっているようだが、どぉも配慮に欠ける。例えば、予備電池や予備カードを入れる小さなポケットが「ない」。ベルトに通すようになって「ない」。ネックストラップとハンドストラップを切り替えて使えるような配慮が「ない」。防水性・防振性・耐衝撃性ケースが「ない」。
撤退した京セラは標準でケースがついてきた。それなりに不足を感じるものではあったが、とりあえずカメラを覆ってポケットに入れたり身につけておくことはできたから、良いものが見つかるまでのつなぎにはなった。しかし、Nikonにはそれがなかった。まぁ、ヘンなものがついてきてその分高価だったりするよりは、いっそないほうが良いのかも知れないが、それは、社外品に良いケースがある場合の話だ。
表示の足らないWebサイト
様々なサイトをサーフィンしていて気付いたのが、先ず、詳細でベルトを通すスリングの有無が書かれていないこと。これではホルスター様に使えるのかどうか分からないから、選びようがない。サイトを作った人間はただ表側外観だけ見せていれば良いと思っているようだが、カメラケースとはカメラと切り離せないその機能を買うものだ。
裏側の画像がなかったり、スリングがあるかないかなどの説明が補われていないのだから、そうしたサイトは商品を買う立場に立てていないのであって、買いたい気分にもなれない。
社外品ケースも役不足
ただの緩衝袋なら、いまどき百均にだって並んでいる。社外品で良いケースを物色するには、それなりに優れた点があって然るべき。それが、ただ色が派手名だけナンてぇんじゃあ、子供だましだ。
ベルトに通すことのできないケースも多いが、ベルトに通せるようにチャチなカラビナを付けているのは最悪。どうしてかというと、特に開閉する部分のスプリングが良く壊れるのだ。見かけは登山にも使いそうな頑丈なイメージだが、品質は最低。あれを信じちゃいけない。構造からして、まぁカメラを落とすようなことにはならないだろうが、壊れたら案外うっとおしい。それに、カラビナで下げるということはいつもプラプラするということ。ホルスターのようにしっかり体にフィットしているわけではない。
値段を下げるために大事な部分を殺いでいるメーカーもある。数年前に買ったTAMRAKのポーチはベルトを通す部分にベルクロとホックが二重に備わっていて、心丈夫だった。蓋も、樹脂製フックとベルクロの二重構造。急いでいるときにはベルクロが利くからうっかりロックし忘れて走りだしてもカメラが飛び出したりしにくい。もっとアクティブな動きをするなら、前もってロックすれば万全。それが、新しいものはベルクロがなくなっていて、ベルトに下げたつもりが車の運転席に座っている間に落ちてしまった。落ちたのが車内だったから良いようなものの、こんな体たらくでは常用できない。半端にコストで妥協したような品は、駄目だ。
付属ストラップも問題
ケースと並んで大事なのがストラップ。カメラボディと手首の間で適度なテンションで突っ張るように使うことで、ホールディングを助けることができるからだ。ところが、メーカーが扱う社外品ですら、ハンドストラップなのに妙に大きな、半端なものになってしまったり、コーディネートされているストラップの調整ができなかったりする。Nikonのそれはハンドストラップが小さくて、私の手では通すのにも苦労する始末だった。
もう一つの、既存のストラップ類に良くある欠点は、固定部分や接続部分に金属を使っていること。あれがボディにぶつかってカメラを傷つけてしまうのだ。ライカくらいのカメラになると、ボディを傷つけないように三角形の小さな革がボディと金具の間にくるようになっている。或いは、最近のデジイチはストラップのベルトを通す金具が直接ボディに備わっている。携帯電話然りだが、カチャカチャと音を立ててウルサイだけでなく、折角のグッドデザインの筐体であっても擦り傷だらけになる。これは誰だって勘弁してほしいのではないだろうか。ひょっとすると、オプションメーカーとつるんで、金具を使って早く見た目がボロっぽくなるように仕向け、買い換えを促すメーカーの戦術だったりして…。
本当にないのか
このように良いケースというのはなかなか見つからないのだが、皆無ではない。写真を撮る道具としてのカメラを携帯することの意味を十分理解しているメーカーは、例えコンパクトデジカメ用であっても、配慮の行き届いた、ちゃんとしたものを発売している。そうしたメーカーにビジネスチャンスを与えているという意味では、カメラメーカーのケース類が至らないのも許すべきことかも知れない。
実用性や耐久性 ─ 何よりカメラという道具を携帯し、取り出して撮影し、また仕舞うという行動と動作を考えれば、様々なサイズの優れたケースがもっとあって当然のように思うのだ。
余談だが、デジイチのようなガタイが大きめの機材のストラップに蘊蓄を傾ける方々もおありのようだ。ハイアマチュアならそれも結構なのだろうけれど、プロとしてはむしろ切れたりしなくて洗えれば最高だったりする。というのは、この夏のような暑さの炎天下で撮影していると、首から下げた二台目・三台目のストラップは汗でベトベト。時として撮影業務とはそんな仕事なので、汚れも風格のオシャレな革なんてわけには行かず、時として使い捨てにしざるを得ないような、そんな撮影環境もあり得るというわけだ。
でも、コンパクトデジカメのそれは、機能性・実用性を満たした上で、オシャレな色だのデザインだのといった面も十分に良いものであって欲しい。写真にはセンスも、とっても大事なのだから。
Posted by nankyokuguma at 14:12:43. Filed under: Photo
