今週、二つほど買い換えをした。デジカメと電動ドリルドライバだ。
デジカメは、京セラが撤退した時、投げ売りされたFineCam SL400R。天文目的で使う以外に普段のメモ代わりとしてもずっと使っていたのだけれど、常時携帯の酷使がたたったか、ついに壊れてしまった。ストロボが発光せず、発光禁止モードにしないと露出も合わないのだ。
本気で撮る写真ならそんなことは障害じゃないのだけれど、普段のメモ代わりではいかにも面倒だし、間に合わない。そこで、今時のデジカメを物色したが、ない。何がないかというと、スイバル型。ニコンで唯一のS10はフィルタネジがなく、4500や5000で使ってきたコンバージョンレンズが使えないし、FineCamの代役にしてはガタイが大きい…なんてデジカメとしての話は、しばらく使用した上で別途書くことにして、バッテリーだ。
スイッチを入れてしばらく使ってみていると、ふと、バッテリー残量表示がないことに気付いた。取り扱い説明書を開くと、イラストでは右上に4500や5000で見慣れた電池のマークが出ると説明されているのだけれど、ない。表示設定があるのかとメニューを開いても、ない。

困ってユーザーサポートに電話すると、そのマニュアルの図の左側に表があり、残量が十分なところの図の項目に「表示なし」とある。あぁぁぁぁ…そぉかぁ…、と思いつつ、ムッとする。表の、こんな図が出ますの説明項目に文字で「表示なし」では、まるで「表示なし」という文字が表示されるかのような錯覚を覚えるのだ。これは、何も書かずに小さく(表示なし)というような示し方が妥当だろう。
サポートの返答も私を怒らせた。「デジカメはだいたいそうなっています」というのだ。嘘を言っちゃあいけない。5000も4500も、或いはDimageXもFineCamもCanon EOS1DsMk2や10D〜5Dも、全て残量表示がある。表示がないことが残量が十分にあることを示しているのは、恐らく最近のニコン製品がそうだというのだろうが、私はこれまでに見たことがないように思う。
確かに、電圧計を噛ませれば電圧計の回路そのものが電気を消費するので、電圧計がないほうが僅かとはいえ電池寿命は永らえる。だが、残量が減った時点で表示するというのだから常に検出しているわけで、これは理由ではないと思われる。
なぜ残量表示の常時表示、或いは表示を呼び出してチェックできることがそれほど必要かといえば、減ったから充電しろと言われる時には既に急激な電圧低下を起こしているのが充電池の常だからだ。つまり、滑らかに電圧が下降して動作が遅く不確実になったりするのではなく、急に使えなくなる。だから、減りだした最初のうちの表示が大事なのだ。加えて、アイコンが図示している残量が、凄く減っているような印象の図になっていて不安だという仕様も印象を悪くしたから、折角の新品デジカメというのに、嬉しさは吹っ飛んでしまい、いきなり使えなくなったら困るから、やはり予備の電池は必需品とばかり、早速用意した。警告が出ても少しは撮れるのだろうが、なんとも情けないカメラである。電池残量表示の仕様としては、少しでも画面の邪魔になるものが少ない方が良いという向きのことも考えて言うならば、表示・非表示を選択できるようになっているのが、どう考えても正解。「今時のデジカメはみんな、残量があるときは表示は出ません」などというのは、作る側の勝手な思いこみ。サポートがそれを言うのは論外だろう。
「充電機能付きのケースなんてのが出てくれたら、少しは助かるんだけどなぁ」と思いつつ、「このカメラがベスト」と思って選んだわけではないNikon Coolpix S51の仕様に呆れかえっている。
一方、電動ドリルドライバでは、B&Dの電動ドリルが壊れ、松下製の充電式電動ドライバーの充電池がイカレた。B&Dの電動ドリルは30年近く使っている老兵で、どこぞの扇風機が燃えたのに似て、そもそも「まだ使っていたの」という次元。実は分解修理したのでまだ使えるといえば使えるのだが、ちょっと怖い。松下の電動ドライバは、一度充電池を交換したが、安売りなら電池の値段で本体が買えてしまう。そこで、諦めて買い換えたのだけれど、選んだのはB&Dの電動ドライバドリル。これなら、二つの役割が一つで済む。充電式にしなかったのは、毎日使うものではないことによる。充電しておいても、いざ使おうとしたら自然放電してしまっているし、充電しっぱなしにすれば電池の寿命が縮まる。おまけに本体は電池の分だけ重たく、良いことなんぞ、なぁんにもない。ネジを手で回さない代償としてはあまりに高価だ。
そぉいうわけで、コンセントにプラグを突っ込んで使う電源コードつきの電動ドリルドライバを選んだ次第。プロの大工さんなどは毎日のように使うしコードを引っ張ってまわるのでは能率が上がらないだろうから充電式が良いのだろうけど、滅多に使わない家庭用で充電式電動工具は、今の充電池では駄目。BOSCHのようにDIY用でドライバドリルだと充電式しかラインアップしていないメーカーもある中、B&Dのこの製品は有り難い存在だ。(RYOBIも類似商品をラインアップしている)
デジカメも工具も、いざ使おうとしたときに使えない可能性を充電池がもたらしているし、残量表示がないという点でも一致している。クレードルのようなスタンドに置いておけば自動的に電圧を検知してあるレベルで再充電してくれるような気の利いた回路も、強制的に全放電・再充電する回路も備わっていない。それどころか、電池寿命を縮めて買い換え需要を得ようというような、プリンタのインクのようなビジネスモデルすら連想してしまう。これで、一体どこが環境への配慮なんだ!?。
充電池も、それを利用した製品も、これでよくも人類は宇宙ステーションを持てているものだと思う体たらく。唯一、最近感心しているのはSANYOのeneloopで、仕事用のCanonデジイチのスピードライトに使っている。継ぎ足し充電もできるし、放置していても自然放電でいざというときに使えなかったということもなく、極めて優秀。やればできるじゃないと思うのだけれど、非常に残念ながら、こういう良いモノは他社製品にはなかなか採用されないようだ。
Posted by nankyokuguma at 14:26:19. Filed under: Goods
