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Tuesday, March 22, 2005

Canon FV500
どうしても木星だけは耐自転ブレ限界の62秒の壁にぶちあたって、スティルカメラでは今イチ撮影枚数が稼げない。半ば諦め気分で、やむなく安いビデオカメラを入手した。Canon FV500だが、なかなかどうして、良く写る。もっとも、根本的に動画に画質なんか期待していないから、そう思ってしまうのだろう。根がスティルマンだから、こればっかりは譲れない。
では、どうして天文雑誌の入選作品などで、SONY製品で撮影したものが多いというのに、FV500になったか─
Canon FV500はフィルタ径28mm
そもそも、動画の一駒一こまは、秒24コマというムービーの基本で考えて1/30以下のシャッター速度にはなり得ない。それ以下のシャッター速度では当然、秒当たり駒数が減る。だから、ビデオでの惑星撮影には、それだけ早いシャッターを切れる明るい星像が求められることになる。SONYが多いのは、暗い星像に対して撮影するのに十分な暗部感度があるというのも、一つの理由だろう。この感度の問題は、ナイトモードを利用すればCanonでもイーブン。しかも、キット込み5万円前後と、価格も比較的安い。
だが実は、値段以外に大きな理由がある。フィルタ径が28mmなので、Nikon 950から引き続いたアクセサリ群がそのまま使えるのだ。これは有り難い。例えば、180度円形魚眼やNikonのテレスコマイクロがネジ込める。テレスコマイクロはさすがにテレ側の利用は無茶だが、マイクロ側は案外使えるかも知れない印象。魚眼は大広角レンズになる。
しかも、アイピースアダプタもそのまま手持ちのものが使えるから、こんなに良いこたぁ、ない。
Webページでビデオカメラの仕様を見ていても、フィルタ径の記述がない機材が多い。それどころか、フィルタ装着ネジを切っていないものすらある。そんな中で、FV500が汎用性の広い28mmを採用していたのは、特筆モンだ。
一方、このカメラにない機能は「スティル撮影」。だけどねぇ、画質が悪いと分かっている機材で、いかに背伸びしてスティルを撮影したって、何が嬉しいだろう。動画は動画、スティルはスティル。全く異質な才能や撮影技法がそこにあるというのに、どうして同じ機材に同居させられるのか。どっちも撮りたいなら、動画側を三脚に載せて引いたフレームで勝手に撮らせておいて、スティルに集中するのが良い。
Saturn by FV500
悔しいかな、動機が惑星撮影(右画像は土星撮影の例 Orion300mmf4にRadian4mmで拡大撮影)と不純?だったのが災いしたのか、未だに目的の木星をモノにする好天に巡り会えずにいる。土星ではご覧のように、そこそこ悪くない感触は得たのだけれど。
木星はまだだが、たまたま三月というのに雪がふったので、早速撮影・編集してみた。iMovieでの編集は存外に手軽で、我が子どもが小さかった頃にこれがあったらなぁ、と思うこと、しきり。こんなソフトウェアが標準インストールされていると考えると、Macはホンマにバーゲンセール価格なんだなぁ…。