驚くべきその特徴は… 「システム」。なんと、レンズ+撮像素子をカメラユニットとして交換する方式なのだ。フルセット185,190円(某ネット店調べ)。ファインダーVF-2なしで146,400円。ボディユニットのみは49,800円(同某店)。
カメラユニット単体では、当初リリースされるのは24〜70mmズームと50mm f2.5マクロの二種類。24〜70mmは1/1.7in・1000万画素のCCD撮像素子で39,800円(同某店)とあった。1/1.7inは7.6X5.6mmと、あくまでもコンデジの撮像素子だが、採用レンズとの組み合わせで悪くない次元にあるのは、GX200で証明済み。つまりは、まんまGX200が交換式のために重くなる勘定。
一方の50mmの撮像素子サイズはなんと、23.6mm×15.7mm。CMOSで1230万画素のこれは、フォーサーズやSIGMAはもちろん、EOS Kissをも凌ぐ面積。画素あたりの面積が大きい分だけ画質の向上が見込める、このボディサイズにあっては文字通り「巨大」なセンサーの採用である。但し、値段も巨大センサ相応で、74,800円(同某店)とあった。
まだ実際に撮ってみられるわけではないので、得られる結果については、あくまでも数値と画像サンプルから推測する域を出ない。Webページに掲載されているMTF曲線だけで判断すると、それぞれおおよそ似たような焦点距離でPanasonicのLeicaレンズが優れているかのようにも見受けられたが、撮像素子とセットで調整するユニットとは、実写しない限り単純に比べようがない。
意地悪く考えると、ビジネス上、GRだGXだって多品種少量生産よりも、システム式のほうが生産効率は高いんじゃないか、などということもあるかも知れないと思うのだが、しかし、マウントというフレキシビリティの呪縛から逃れ、光軸のたわみや様々な誤差を除去して、目的に合ったカメラユニットを最良の結果が得られるように作り込めるから、画質で優位だという美点のほうが優るだろう。
埃の問題で、ダストリダクションシステムで逃れるよりも、いっそ固めてしまったほうが良いという判断もあるはずだ。第一、例えリダクションシステムがあっても、大きな埃は除去されない。ダストトロンボーンといわれる直進式ズームなど採用しない限り、埃に悩まされることもないのだから、潔い割り切りかも知れない。
加えて、ボディユニットとレンズユニットの連携を直接の組み込みだけでなく、有線やWi-Fiなどで遠隔操作可能にするようになれば、様々に用途が広がる。或いは、デジイチ風と二眼レフ風のボディを使い分けるとか…要は、どれほどユニーク・高性能なレンズユニットが用意されるかと、オプションでの広がりが成否を分ける鍵となりそうだ。
但し、コンパクトとはいえ重量のほうもGRやGXのように軽量とは行かず、100gr以上の重量増だから、もはやワイシャツ胸ポケットお忍びカメラにはできそうもない。値段から言っても、GRやGXの存在意義が吹っ飛んだと思うのは早計のようだ。
景気が悪化して元気がなくなっていたデジカメ業界だけれど、ここにきて踏ん切りがついたかのように、Leicaがフォトキナで発表した新モデルをいよいよ投入するぞと意気込んでいたり、面白くなってきたように思う。GXRの登場は、なんちゃってデジイチやDSLRが抱いてきた様々な課題や矛盾を大胆に解決し、デジカメという道具で撮り得る世界を拡大する、注目すべき一歩ではないだろうか。
Posted by nankyokuguma at 16:57:35. Filed under: Photo
