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Thursday, June 02, 2005

というもの、Macユーザーの友人知人から、様々な反応があった。

表面的には好意的。私のデスク下に収まっているPowerMacG5をして「暖房器具かと思った」と宣うたのはデザインに煩い方。現PowerMacのデザインは、旧来のユーザーには不評と聞き及んでいるから驚きもしないが、ちょっと寂しい反応。だが、上には上というか… Welcomeとばかりに満願の笑みをたたえながら「えっ、仕事に使うんですか。知ってる範囲で仕事で使ってるのなんか、いませんよ。みんなWindowsじゃないと仕事にならんって言いますよぉ」というのが、最も強烈。買った後から言うんだもんなぁ…

誰しもが使えないと口を揃えるキーボードや、もはや右クリック又は長押しによるコンテキストメニューの存在がスピーディな作業には不可欠となっていることなどは、MacユーザーといえどもWindowsをVirtual PCなりサブ機で持っていて影響を受けたからか。

私自身は、実はSteve Jobs氏の隠れファン。かつての、NeXTの登場には感動したものだ。アプリケーションがなかったので買いこそしなかったが、その先進性を包み込んだ筐体デザインなど、全てに惚れ惚れとしたものだ。だから、私のPC歴でもっとも長く使ったケースは、NeXTに似た黒いサイコロ型。冷却問題でどうしようもなくなってオールアルミのケースにするまで愛用していた。だから、MacユーザーがDual Steve(Steve Wozniak & Steve Jobs)なき後もApple製品を使い続けてきたのが、逆に私には理解しづらい。判官贔屓がなかったら、Macはもっと早くに、本当に良いマシンになっていたかも知れない。或は、Jean-Louis Gassee氏のBeOS(Be Inc.,)だって、そう捨てたモンじゃあなかった。インターフェースもあか抜けていたしね。

Steve Jobs氏自身、1985年以後、Macは死んでいた、と述べている。但し、同時にWindowsはMacの風刺だと切り返しているけれど。1997年頃のPowerMacの8600や9600ときたら、その後存外に長らく使われていたようだけれど、ちょっとJavaを使ったWebページにでも当たろうものなら凍り付いていて、Webを作る立場には困った存在だった。iMacも時としてサーフィンの途中で凍り付いてはいたが、その登場は、Steve Jobs氏のカムバックを飾るすばらしい節目だった。Macでパソコンを始めたいというWebサイト作成のお客様があって、サポートも絡んで私のところにもiMacがやってきた。赤いiMacはそれから昨年末まで、主に検証用として私の脇に鎮座していた。いかんせん処理速度が遅く、何をする気にもなれなかったのだ。

WindowsNTを搭載してBXマザーにDual Pentiumで組み上げていた先代の私のPCは、私が経験したマシンの中でもとびきり安定していて、少々無理をしても安心して使えたものだ。グラフィックカードは、#9。ビートルズナンバーのBIOSメッセージも好きだったが、何より性能面で信頼できた。このマシンのマザーと#9は、今でも某氏のところで現役。

さて、Steve Jobs氏がAppleに戻って、ストーリーは大きく変わった。先ず何より、デザイン面で「欲しいなぁ」と思わせてくれる製品が出始めた。OS Xからの道のりは、私にとって隣の青い芝生だった。というのも、PentiumIVに2GBのメモリを搭載していながら、Windowsはもう駄目か、と見切りをつけたのは、安定性の低下や、安全に使い続けるために払わねばならない虚しい努力が無視できないところまできたからでもあった。一方のMacでは、BSDカーネルのOS Xの安定性は容易に想像がついたが、速度そのものにはたいして期待しなかった。

自作しようがメーカー製を買おうが、安定性に大差がないとなったら、自己責任をとらずにすむメーカー製のほうが良いような気がしてくるけれど、Windowsといえども、メーカー製ワークステーションは高い。そこまで銭を出すのなら、Macにしたところで違わないどころか、OS X搭載のMacならむしろ安上がりですらある。かの日経BYTE誌にエッセイを連載するジェリー・パーネル氏ですら、ウィルスやスパイウェアの問題で「MacかLinuxを使っていれば…」という一節が、このところ毎号のように出てくる。実際、必須のアプリAdobe CSをMac用に買い替えたとしても、まだMacのほうがWindows系高級?ワークステーションよりも、下手をすると安くあがるのだ。

かくて、私とPanther搭載PowerMacの、約半年の蜜月生活は過ぎていったのだった…。